ひと山当てようと甘い話に飛びつくと、そこには落とし穴が待っている。
「何げなく登録してみただけなのに。まさか貯金がすっからかんになってしまうなんて……」
東京都内のメーカーに勤める40代の田所健太さん(仮名)は緊急事態宣言が出た2020年4月から在宅勤務になり、家に閉じこもる生活が始まった。ある日、ネットサーフィンをしていると、男女の出会いの場を提供するマッチングサイトに行き当たる。
独身の田所さんは「いい人に出会えるかもしれない」と思い切って登録。プロフィールを入力すると、すぐさま女性からメッセージが来た。
「上海在住の20代でした。プロフィール写真はかなりの美人で、手の届かない人かなあと思っていたら、彼女のほうから『休日は何してる?』とか『今度、日本に行くから会いたい』と積極的に声をかけてきたのです」(田所さん)
「見放されたくない」
田所さんが女性に好感を持ち始めた頃、会話に変化が生じる。高級車の写真を送ってきて「最近、この車を買ったのよ」と語り、こう続けた。「FX(外国為替証拠金取引)で1億円稼いだの。あなたもやってみない?」。
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