国債や社債で満足できない富裕層には仕組み債という選択肢がある。
「お金が儲かれば幸せになれるのでしょうか。お金を稼ぐほど、悩みや苦しみに陥ることもありますよね」
東京・銀座のとあるビルの応接室で、土地やビジネスを代々引き継いできたオーナーは静かに語り始めた。そして、「株のように毎日値が動くものは、考えるだけでストレスになる。だから、できるだけ持たないようにしているのです」と説いてくれた。
彼のように、両親や祖父母などから資産を引き継いできた“地主タイプ”はいったいどのようにして資産を運用しているのだろうか。
10億円以上の資産を持つ富裕層の資産運用を担当するプライベートバンカーたちが異口同音に明かすのは、「本物の富裕層になるほど、資産を殖やすのではなく減らさないことに注力している」という実態だ。
富裕層ほど安定を好むという仮説には、有力な証拠もある。ある大手金融機関の富裕層部門で最も売れている金融商品は、個人向け国債だというのだ。
個人向け国債とは、その名のとおり、国が個人に向けて発行する債券のことだ。購入後、半年ごとに利子を受け取ることができ、満期になると全額払い戻される。
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