東京・日本橋の一等地、高島屋三井ビルディングの最上階にある広さ約1900平方メートルのサロン。企業オーナーや古くからの地主といった富裕層たちが、眼下に都内の夜景を望みながら、高級料理に舌鼓を打っている。
このサロンは、準大手証券会社の東海東京フィナンシャル・ホールディングスが富裕層向けブランド「オルクドール」の顧客のために用意したもの。「会員制で会食もできるサロンが一番の売り。資産運用についてのご相談やお客様同士の交流にもご利用いただいている」。オルクドールで東京地区副担当を務める中谷内美香氏は自慢げに語る。
オルクドールは2018年の東京進出以降、「『会社四季報』を見ながら1社ずつ、代表番号に電話をかけて新規開拓を行う」(中谷内氏)など、地道な営業活動を続けてきた。
そのかいあって、東京拠点の預かり資産は開業から2年間で約1.7倍に増えた。サロン内のレストランも予約が難しくなるほど盛況だ。ただ、富裕層向けサービスの強化に勤(いそ)しむのは東海東京だけではない。
業界最大手の野村ホールディングスは「パブリックからプライベートへ」を旗印に、富裕層向けサービスの拡充に取り組む。20年12月の投資家向け説明会では、企業オーナー向けサービス強化に向け、担当者を増員すると説明した。
野村は上場・非上場にかかわらず、企業オーナーとの関係を強化、顧客ニーズに合わせてカスタマイズしたポートフォリオの構築を提案する。
オーナーが経営する法人に対しては、資金調達やM&Aなどに関与することで収益を得ようというのが狙いだ。
メガバンク系証券も取り組みを加速している。グループ内の銀行・証券・信託が一体となって富裕層向けサービスを展開しようとしているのだ。
三井住友フィナンシャルグループはSMBCプライベート・ウェルスという新ブランドを20年4月に立ち上げた。グループのSMBC日興証券を主体として、三井住友銀行や信託銀行が1つにまとまり、企業オーナーを中心に取引を拡大する作戦だ。
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