INDEX
AI翻訳機「ポケトーク」などを手がけるポケトーク社が、2026年中の株式上場を断念したことがわかった。
同社の親会社であるソースネクストは24年3月、株式上場準備を始めたことをプレスリリースで明らかにし、 みずほ証券が主幹事証券会社となることが決まっていた。当時は25年中の株式上場を目指すとしていたが、一度計画を延期。25年11月に日本経済新聞が、26年秋メドの東京証券取引所上場に向けて近く申請を行うと報じていた。
これで実質的に2回目の上場延期となる。今後は業績を立て直したうえで、27年以降の上場を目指す。ポケトークは東洋経済の取材に対し、「現時点で会社として、決定した事実はない。上場の方針に関する発表は、親会社のソースネクストが11月14日に開示する26年12月期第3四半期(26年1〜9月期)決算の際に行う予定」と回答している。
トランプ政権誕生の誤算
ポケトークの事業はもともとソースネクストが主体となり、17年に初代端末を発売したことでスタートした。発売当初は日本国内のインバウンド需要を中心に急成長を遂げたが、コロナ禍で需要が激減。コロナの影響を受けにくかったアメリカ市場へ本格シフトするタイミングの22年2月に会社分割を実施し、ポケトーク株式会社として独立・法人化した。
ソースネクストからスピンアウトした後のポケトークは、アメリカで順調に売り上げを伸ばす。バイデン政権(当時)下での移民増加を追い風に、教育機関や医療現場、警察・郵便局などの公共機関で多言語対応ニーズの獲得に成功。24年1〜3月期にポケトーク社におけるアメリカ法人の売上高は前年同期比2.2倍の374万ドルとなり、四半期ベースで初の営業黒字化を達成した。同年3月にソースネクストがポケトークの株式上場準備を公表したのは、アメリカ市場の強い成長が背景にあった。
しかしトランプ政権が25年1月に誕生する前後から、ポケトークのアメリカ事業は下降線をたどる。
この記事は有料会員限定です
残り 1710文字

