医療系IT企業の新星、エムスリーの時価総額は武田薬品を超えた。
11月27日、エムスリーの時価総額が6兆円を突破した。6月2日に3兆円を超えてからわずか半年足らずで倍増した。IT関連では、Zホールディングス(ヤフー)や楽天、LINEを凌駕し、製薬業界では武田薬品工業をも上回る。
株価急騰の理由は、もちろん好調な業績と、成長への期待だ。2000年の創業以来業績は右肩上がりで、売上高はこの10年で11倍になった。20年度第2四半期決算は、売上高が前年同期比22%増の750億円、営業利益が同45%増の239億円となった。UBS証券の小池幸弘アナリストは、「デジタル化を進める製薬会社のニーズをうまく捉えている。株式市場の予測を上回る成長が続いている」と話す。
エムスリーは、マッキンゼー・アンド・カンパニーのパートナーだった谷村格氏が、クライアントだったソニー子会社のソネットの出資を得て設立した。設立時は「ソネット・エムスリー」で、10年に現社名に変更した。
創業当初から狙っていたのは、医療業界のリアルでの業務を代替するインターネット上のサービスを提供すること。その代表例が、創業の1カ月後に提供を開始した「MR君」だ。MRが医療機関に訪問して行っていた医薬品情報の提供を、ネット上で行えるようにすることで、MRの業務を効率化した。
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