憲法76条3項は、「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」と規定している。
どんな人でも、裁判の当事者になる可能性はある。裁かれる側としては憲法どおりに公正な判断を期待したいが、そこに影を落とすものがある。それが裁判官のキャリアシステムだ。
日本では、若くして司法試験に合格した人が司法修習を経て裁判官に採用され、徐々に昇進する形になっている。官僚がポスト争いに明け暮れていることは周知されているが、裁判官にも出世競争がある。
省庁は徐々にポストが減っていくいす取りゲームだ。一方で、裁判官は身分保障の観点から、希望すれば大半は定年(65歳、最高裁判所裁判官と簡易裁判所判事は70歳)まで務めることができる。
例外は弾劾により罷免される場合と、任期満了後の再任を拒否される場合だ。下級裁判所(最高裁以外の裁判所)の裁判官の任期は10年で、再任希望を出しても下級裁判所裁判官指名諮問委員会の答申を踏まえた最高裁の裁判官会議で認められなければ職を失う。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら