第一人者は「具体的に提案するのが大事」「仕事は楽しく」と説く。

弁護士 中村直人(なかむら・なおと)1960年生まれ。一橋大卒。85年弁護士登録(司法修習37期)。森綜合法律事務所、日比谷パーク法律事務所(パートナー)を経て、2003年中村直人法律事務所を開設(現中村・角田・松本法律事務所)。
会社法全般に強い、企業法務弁護士の最右翼といえば、中村直人弁護士だろう。日経新聞などの弁護士ランキングではつねに上位に名を連ねる。中村氏が若手弁護士の心得を書いた『弁護士になった「その先」のこと。』(共著)は、その実践的な内容が業界で大きな話題になっている。日本の企業法務をリードしてきた中村氏の考える弁護士論を、元東洋経済記者の関田真也弁護士が聞いた。
──著書の中で、「納期に遅れたことは一回もない」と明言していました。弁護士は案件が重なると時に締め切りに遅れることも少なくありません。「圧倒的な仕事の速さ」を実現する秘訣は?
仕事は、締め切りではなく「発生日基準」で進めることを心がけている。書面の仕事が発生したらすぐに、まず何をどう書くかという目次を作り、さらにキーワードを思いつくままにざっと並べて、ストーリーを先に見抜く。どの点をクライアントに聞くのか、どの証拠を集めるかも、この時点ですぐ整理してしまう。
日常の法律相談は会社法についてのことが多く、ほとんど過去に回答した経験がある。どこにどういう文献があるかはだいたい頭に入っていて、それ以降の新しい判例とか文献がないかを確認すればいいので30分以内で全部終わる。
弁護士が期限に遅れれば社内での法務部の立場がなくなってしまう。お客さんに「申し訳ない」って電話やメールをするなんてありえない。
──本の中で、「会社は『目からウロコの言葉』を持っている弁護士を評価する」と書いています。具体的にはどういうことですか。
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