「アグリ事業で収益を下支えする」 インタビュー/三井物産執行役員 高田康平

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三井物産の高田康平執行役員は「生物農薬の拡大は今後も期待できる」と語る(撮影:梅谷秀司)

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これまで鉄鉱石やLNG(液化天然ガス)などの資源事業で大きく稼いできた三井物産。だが、2021年3月期は新型コロナウイルスの感染拡大や資源価格下落の影響を大きく受けそうだ。
同社は2021年3月期の純利益は1800億円と見通しており、2020年3月期実績の3915億円から半減する見込みだ。
この厳しい状況下、三井物産は2023年3月期を最終年度とする新しい中期経営計画を策定した。「定量面でコロナ影響を見通すことは非常に困難だ」(三井物産の安永竜夫社長)としながらも、「三井物産が向かう方向を社内外に示すことが重要だ。コロナが収束してから出すのはありえない」(安永社長)との理由から新中計の公表に踏み切った。
最終年度の純利益目標は4000億円。コロナ影響の度合いによっては目標を修正する可能性もあるが、この数字には安永社長の強い思いが込められている。目標の4000億円のうち、その6割にあたる2400億円を非資源分野で稼ぐ方針なのだ。2020年3月期の非資源分野の純利益は全体の約4割、1630億円で、3年間で3割以上伸ばす計画となる。
この非資源分野の利益成長のカギを握る1つがアグリカルチャー事業だ。同事業は化学品事業の一部門で、化学品の中でも着実な成長が見込まれている。今後3年間、どう攻めるのか。高田康平・執行役員ニュートリション・アグリカルチャー本部長に聞いた。

肥料と農薬、種子に注力

――アグリ事業は三井物産の成長戦略において、どのような位置づけなのでしょうか。

世界人口が増加する環境を踏まえると、アグリ事業は市況に左右されずに着実に伸びていく領域だ。

ニュートリション・アグリカルチャー本部ができたのは2016年の4月のこと。化学品と食料にまたがる領域で新たな収益基盤をつくるべくやってきた。世界人口は2050年には100億人に近づくと言われる中で、食料増産は世界的課題として避けて通れない。

世界人口の増加ペースを踏まえると、現在の食料生産量から5割程度増産する必要があるという見方もある。アグリ分野はまさに人々の生活に不可欠なエッセンシャルビジネスの一つだ。

三井物産におけるアグリ事業は現状では、資源事業ほど収益インパクトは大きくないが、しっかり伸ばすことで三井物産の成長を下支えしていきたい。

――具体的にどのようなビジネスを進めているのですか。

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