東海の中堅スーパー「バロー」が快進撃、強さを支えるPB商品の破壊力

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
東海の中堅スーパー「バロー」が快進撃、強さを支えるPB商品の破壊力

約1年前、バローの投入した自主企画(PB)商品がスーパー業界を震撼させた。1個18円のポテトコロッケ。価格にシビアな東海地域では低価格の総菜は決して珍しくはないが、20円でお釣りが来るようなコロッケは初めてだった。18円コロッケは瞬く間にヒット商品に。1日平均で10万個を超える爆発的な売れ行きを挙げる。東海を地盤とする地域スーパーでありながら、バローの知名度は全国区に昇格した。

ライバルを圧倒するサプライズ商品が続々

バローでは18円コロッケを筆頭にした圧倒的な低価格商品を「サプライズ50」と呼んでいる。48円のPETボトル飲料(500ミリリットル)、58円のおにぎり、98円均一の焼きたてパン、248円の弁当……。50品目とした商品開発目標は1年を待たずに達成した。サプライズ商品はすでに100品目までメドがつき、近い将来には200品目に引き上げる。

サプライズ商品が成功したのは、そもそもPB商品で豊富な実績があったからだ。品目数は1000以上。サプライズ商品を含めると、食品スーパー事業におけるPB商品の構成比は約2割。ここ数年、スーパー業界はPB開発を猛烈に進めたが、それでも1割にも満たないスーパーが大半である。バローの2割という数字は驚異的ともいえる。

「もちろん薄利だが、18円コロッケでも、98円均一の焼きたてパンでもすべて利益は取れる」。食品スーパーを統括する中村純二専務はそう話す。その秘密は製造小売り的な仕組みにある。

バローはグループに総菜製造やパン製造の子会社を抱えている。たとえば、焼きたてパンの場合は、子会社の自社工場で小麦粉を仕入れ、冷凍生地を製造する。冷凍生地は各店舗に配送後、店内で焼きたての状態に調理される。すしは以前は店内で加工していたが、今は自社工場で製造工程の大半を終える。店内では、いわゆるシャリにネタを載せる最終工程を行うのみ。

おにぎりは数年前まで98円の商品が主力だった。すしと同じように自社工場で製造し、68円まで価格を引き下げたが、「サプライズ」にするには、もう一押しが必要だと判断した。その結果生まれたのが、58円のおにぎりだ。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事