再開発で旧空港跡地は先端産業拠点と複合商業施設に生まれ変わる。
羽田空港の手前、東京モノレールの天空橋駅。人通りもまばらな駅から出ると、駅前では大きな工事が行われていた。ここでは大手ゼネコンの鹿島ら9社が組んだコンソーシアムが広大な再開発を進めている。
天空橋の近隣には、かつて羽田空港の滑走路やターミナルビルがあった。ただ、騒音の問題や滑走路が手狭だったことから、沖合を埋め立て、1990年代に移転し現在の羽田空港となっている。旧羽田空港は戦後GHQ(連合国軍総司令部)に接収され、現在の空港敷地内に住んでいた住民が強制立ち退きを受けた歴史的経緯がある。長い時間をかけて再開発計画や権利問題を整理し、空港跡地を2つの開発ゾーンを中心に構成される「羽田 グローバル ウィングズ」として生まれ変わらせようとしている。
3つの開発計画
現在、空港跡地(全体で53ヘクタール)では、下地図のように3つの大きな開発計画が動いている。
1つ目の開発計画が、約20ヘクタールの敷地の第1ゾーンだ。大田区が開発を推進しており、中小製造業が集積するという区の特性や空港への近さを結び付ける「新産業創造・発信拠点」と位置づける。このうち、5.9ヘクタールを第1期事業として、鹿島が代表企業を務め、大和ハウス工業やJR東日本など9社で構成される羽田みらい開発が約50年間、年約4億円で借り受け、「羽田イノベーションシティ」として大型複合施設の開発を行っている。今年7月3日に一部が、全体は2022年に開業する予定だ。
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