成長軌道に乗っていたANAやJAL、LCC各社が危機に直面している。
2020年は羽田大増便で航空業界にとって飛躍の年と思われていたが、世界で流行する新型肺炎の影響で波乱の幕開けとなった。日本航空(JAL)の菊山英樹専務は1月31日に行われた19年度第3四半期決算会見で、「2月は中国路線で約25%の予約キャンセルがあった。SARS(重症急性呼吸器症候群)などのときと比較しても(業績の見込みは)かなり厳しい」と表情を曇らせていたが、その予感は的中した。
全日本空輸(ANA)の中国線予約数は大規模な運休と需要の減速により、2月で前年比8割減少。3月に入っても同9割減のペースが続く。同社の関係者は「2月に満席だったシンガポール路線は、3月中旬に定員約250人に対しまだ予約が50人程度の便もある」と明かす。JALでも各方面の路線で需要が減少し、「3月に入ったあたりから、中・長距離路線の予約率が30~40%まで落ち込んでいる。近年見たことがないほど低い数字ばかりだ」(JALの関係者)。
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