有料会員限定

歴史にみる「組織の非情」と「才人の不忠」 1977年に堺屋太一氏が描いた「組織と個人」

印刷
A
A
堺屋太一/1960年通商産業省(現経済産業省)入省。日本万国博覧会を企画。78年退官、作家として予測小説の分野を開拓した。98〜2000年経済企画庁長官。19年2月8日、多臓器不全で死去。享年83(撮影:今井康一)

特集「覧古考新」の他の記事を読む

昨年2月8日、惜しまれて世を去った堺屋太一氏。プロデューサー、政治家、作家など多彩な顔を持つ同氏は通商産業省(現在の経済産業省)の官僚を務めつつ「副業」で作家活動を行っていた時期がある。本稿は1972年に本誌に掲載された歴史に学ぶ組織論である。2号にわたって掲載された大作を再掲載する。

 

・国家は路傍の花を踏みつぶしても前進しなければならない ヘーゲル

・優れた人間は個人的道徳を超越することが許される ヒトラー

 

「歴史ブーム」といわれてすでに久しい。

確かにここ十余年、わが国の出版界は大量の「歴史もの」を出してきた。しかもその内容は、世界や日本の通史から超長編の大河小説、英雄・奇人の伝説、さらには推理小説顔負けの古代謎解きものや人を驚かす奇説の類で、至りて尽くさざるなしの観がある。

新しきを知るための歴史

堺屋太一(本名・池口小太郎)/昭和10年生まれ、東大卒。現在通産省工業技術院研究開発官。作家としても活躍。著書に『油断!』『破断界』ほか。

こうした中に、私がさらに一文を加えるのは、全くの蛇足かもしれない。それにもかかわらず、あえて筆をとったのは、ここで書こうとしているものが、従来の「歴史もの」とはいささか違った観点と主題とを持つだろう、と考えたからである。つまり、歴史を単なる「昔物語」としてではなく、現代の問題、とりわけわれわれ一般の庶民にもかかわりの深い身近な問題として、現実と将来を予測するよすがとして見直してみたい、ということである。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
トヨタが新型クラウンから始める販売改革の衝撃
トヨタが新型クラウンから始める販売改革の衝撃
ソフトバンク「20兆円ファンド」急ブレーキの難局
ソフトバンク「20兆円ファンド」急ブレーキの難局
平気で「サラダ」を食べる人が知らない超残念な真実
平気で「サラダ」を食べる人が知らない超残念な真実
宅配ドライバー「多重下請け」で疲弊する深刻問題
宅配ドライバー「多重下請け」で疲弊する深刻問題
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
覧古考新
「今の日本は日満議定書における満州のようなもの」
1984年6月9日号、6月23日号より
1953年のロングインタビュー
1984年に小倉昌男社長が語った「将来は流通業」
「客から仕様の注文があったら、もう遅い」
ホンダ創業者が1954年に語った独自の哲学
松下幸之助氏と永野重雄氏の1969年新春対談
1983年8月27日号で語ったサントリーの生き方
1958年5月24日号で語った廉売合戦への危惧
4男・渋沢秀雄氏が語った大実業家の素顔(上)
4男・渋沢秀雄氏が語った大実業家の素顔(下)
「自由主義経済の経営理念」とは?
山下社長が1983年7月16日号で語ったこと
「菓子屋が政治的圧力を利用して商売できる時代ではない」
1970年2月28号で語った「東京進出作戦」
1953年9月19日号で語ったドイツとの比較
1965年5月1日号「この人にこの問いを」
日本のハンバーガー文化はここから生まれた
1977年に堺屋太一氏が描いた「組織と個人」
稲葉清右衛門「ついてこれない人はやめてもらって結構」
1985年、ファナック社長が語っていたこと
1988年に語った「ヒューマン・ルネッサンス」の経営
ラストバンカー西川善文氏を悼む
過去のインタビューを再掲
東大特別栄誉教授・小柴昌俊氏を悼む
2008年の『長老の智慧』インタビューを再掲
『ジャパン・アズ・ナンバーワン』エズラ・ヴォーゲル氏を悼む
2019年のインタビューを再録
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT
有料会員登録のご案内