新型コロナウイルスによる肺炎の脅威は、世界第2位の経済大国である中国の屋台骨を揺さぶっている。感染症の流行という点では2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)と共通するが、中国の世界経済における存在感は当時と現在では比較にならない。いまや世界は、中国が内包する巨大なリスクと無縁ではいられない。
ヒトからヒトへの感染情報の公開が遅れたことなどで中国では政府への信頼が損なわれ、ネットでフェイクニュースも飛び交う。その中で信頼を集めるのが、独立系の調査報道メディア「財新週刊」だ。今回、財新の取材班は感染のリスクを恐れずに武漢市内にとどまって「疫病都市」のインサイドリポートを連発している。
財新が2月3日付の週刊誌に掲載したカバーストーリーには、新型肺炎の流行の初期段階で何がおきたかの証言が詰まっている。日本での対応や中国の今後を考えるためには必読の記事だ。今回、その特集を財新との提携関係のもと翻訳掲載する。なお、2月10日付誌面の第2弾特集については、第6~第8回として掲載している。
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