鬼門の海外案件で計1500億円の損失。自己資本が大きく減少。

三井E&Sが手がけたインドネシアの火力発電所(写真は工事中のものとは別)
「今年度も多額の損失を計上することになり、深くお詫びする」(岡良一社長兼COO〈最高執行責任者〉)
造船、重機大手の三井E&Sホールディングスは11月1日、インドネシアで進めていた火力発電所の土木工事案件で、713億円の追加損失を計上すると発表した。同11日の決算会見で岡社長は頭を下げた。
この案件では前年度にも810億円の損失を出している。合計で1500億円もの巨額損失だ。
連結子会社で稼ぎ頭の浮体式石油生産設備エンジニアリング会社、三井海洋開発も工事引当金を計上したため、連結営業赤字に転落。2020年3月期の通期見通しは720億円の営業赤字、最終赤字も880億円となる。3期連続の最終赤字だ。財務状況は大きく悪化する。9月末の自己資本は830億円。来年3月末にさらに減少する。

責任を取る形で田中孝雄会長兼CEO(最高経営責任者)が20年1月1日付で退任し、CEOは岡社長が務める。田中会長から代表権が外れる代わりに、6月から副社長兼CFO(最高財務責任者)になっていた松原圭吾氏に代表権が付与される。
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