株主総会での賛成票の少なさは、経営トップに対する株主の疑念を表す。
「肝心なのは今後どうしていくかだ。株主の不満があったからああいう形になったが、彼(後任の奥田健太郎氏)なら改善できるだろう」。野村ホールディングスの永井浩二社長兼グループCEOは、12月2日の社長交代を発表した会見でそう語った。
永井CEOの述べた「ああいう形」とは、今年6月の株主総会における賛成率急落を指す。永井CEOは総会で取締役に無事再任されたとはいえ、賛成率は前年の96%から34.3ポイントも急落していた。
主な原因は不祥事だ。5月に東証の市場区分に関する情報漏洩問題で金融庁から業務改善命令を受けた。不祥事や総会での賛成率低下は今回の社長交代に「直接的な影響はなかった」と、永井CEOは会見で述べたもののまったく影響がなかったわけではなかろう。
株主総会に諮られる取締役選任決議は、いわば株主による経営者への信任投票だ。賛成率の低さは経営手腕や経営体制に株主が危うさを感じていることを意味する。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら