かんぽ問題で組織改革が不可避だが、一筋縄ではいきそうにない。
郵便局員によるかんぽの不適正販売で揺れる日本郵政グループ。問題が公になった今年6月下旬、日本郵便は郵便局を鼓舞する文書を全国に発した(上写真)。文書は、横山邦男社長名ではなく、大澤誠副社長名だった。
日本郵政グループのコーポレート・ガバナンス(企業統治)は複雑で、郵便局の一大事に発した「大澤名」の文書はその表れだ。
最大の特徴は集票力
大澤副社長は「全特」の元会長。全特の元会長が日本郵便の副社長にまで出世したのは大澤氏が初めてだ。全特とは、1953年設立の旧全国特定郵便局長会(現在の全国郵便局長会)のことで、約1.9万人の中小郵便局長が入会している。「全特」の呼称は今も生きており、ホームページでは「全国郵便局長会(全特)」と表記し、年4回刊の広報誌は「広報ZENTOKU」だ。
全特は任意団体であり、会則には「郵政事業及び地域社会の発展に寄与するとともに会員の勤務条件の向上を図ること」とある。だが、その最大の特徴はその集票力である。多くの局員は「政治結社だ」と口をそろえる。
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