横並びで貸し出しの拡大競争を続けても展望は開けない。一段のリストラが必至だ。
「SBIは地銀を集めて何をするのか」──。最近、複数の地方銀行幹部がそう口にする。真意は、「この環境で儲かるビジネスモデルがあるならば、まねをしたい」(大手地銀幹部)ということだ。
地銀の経営環境は厳しい。長らく続く低金利環境で利ザヤが縮小。2016年から始まった日本銀行のマイナス金利政策で、市場金利は一段と押し潰された。経済の停滞や人口減少で各地銀の地元の資金需要も低迷。生き残りを懸けた再編が起きており、「次はどこか」と注目されていた。
そんな中でのろしを上げたのが、ネット証券やベンチャー投資を手がけ、地銀との連携を広げてきたSBIホールディングスだ。従来の再編は地銀同士の合流ばかり。一方、SBIは「第4のメガバンク構想」をぶち上げて“参加者”を募り出したのだから、まさに異質だ。今年5月、本誌のインタビューで北尾吉孝社長は「テクノロジーの力で地銀を変えていく自信はある」と断言していた。
19年9月、SBIとの資本業務提携を真っ先に決めたのが島根銀行だった。銀行の収益力は、特殊要因で変動する債券の売買益などを除いた「コア業務純益」で見ることが多い。記事下表はそれを低い順にランキングしたものだが、ワースト1位が島根銀行だ。しかも、19年3月期まで3期連続の赤字であり、支援が必要なことは明白だった。
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