各社の事業特性が大きく影響するとはいえ、潜在的なリスクが浮かび上がる。
不透明な会計処理や粉飾決算を見抜くために用いられるのが「アクルーアル」という指標だ。純利益から、本業で稼いだ現金を示す営業キャッシュフロー(以下CF)を引いて算出する。同数値がプラスの値で多額であればあるほど現金収入を伴わない、もしくは現金収入が遅れているのに利益を上げている会社となる。
本誌では5期累計の営業CFがマイナスの会社に絞り、アクルーアルの大きさでランキングした(下表)。東証の業種分類を基に、金融や不動産など営業CFが先行する業態は除外している。不動産業や金融業を行っていても、不動産や金融に業種分類されていない会社はランキングの対象とした。
ワーストは日揮ホールディングス。過去5期累計の純利益は818億円なのに、同期間の営業CFは1996億円のマイナスだ。
日揮は立て替え金が影響
日揮によれば、これは「特殊要因によるもの」(カギカッコは会社側の主張。以下同)だという。
アルジェリアのプラント建設(3件で計2000億円)で、本来は顧客が払うべきプラント資機材の購入代金を日揮が立て替え続けてきた。豪州では現地建設会社が払うべき工事遅延の追加費用を立て替えている。立て替えは複数期にまたがり、営業CFが大きくマイナスになったのだそうだ。
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