創業家会長と社外取締役の事実上の解任は不当と高裁が認定したが…。
「第2号案件の取締役7名選任の件について修正動議を提出いたします」──。質問に立った特殊鋼商社アサダの朝田英太郎代表はそう話すと、修正動議の内容を記した書面を会場で配付するように促した。
これは2018年6月21日午前、精密ばね大手・アドバネクスの株主総会での出来事だ。朝田氏は取引先の持ち株会の理事長を務める人物である。修正動議を提出し、同業他社を引き合いに出しながら、アドバネクスの課題を事細かに指摘。修正動議の取締役候補は、社長を含む3人は会社提案と同じだが、創業家出身の加藤雄一元会長の名前はなかった(下図)。
総会の再開後も“事件”
修正動議に対する投票が行われた後、集計のため13時から休憩に入った。ところが浅草ビューホテルの会場は14時までしか押さえていない。そこで会場を東京・田端にある本社会議室に移し、18時に総会を再開することにした。
そこでも“事件”が起きた。18時過ぎに始まった第2部で、朝田氏とは別の株主が議長交替の動議を出したのだ。経緯はこうだ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら