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戒律や神学上の違い…一神教と多神教の差を知る 宗教を教養としてどう捉えるか

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ベストセラーを書く宗教学者が、宗教理解のポイントを解く。

唯一神への信仰を誓うユダヤ教徒(AGE FOTOSTOCK/アフロ)

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世界の宗教に関する教養的知識が欲しいという要望は多い。ここでは宗教「理解」のためのポイントを書き並べてみることにする。

まず、よく言われていることだが、やはり多神教と一神教の違いが重要だ。ここに大きなギャップがある。大まかに言って、漢字文化圏と東南アジア北部、そしてインドの辺りは多神教が根付いている社会であり、日本人の感覚でお付き合いしても信仰上のトラブルは少ない。

しかし、そのほかの地域にはおおむね一神教が広がっている。欧米はキリスト教、中東や東南アジアの南部はイスラム教だ。この「唯一絶対の神」の信仰は、日本人にとって苦手に見えるだろう。

一神教の中でも戒律を重んじるイスラム教は、日本人にとってとくにとっつきにくい。伝統的に日本人は、意識的に戒律に従うのを嫌ってきたからである。日に5回の礼拝、利子や豚肉食の禁止など「絶対神がそう決めた」と説明されても、なんでいちいち守らなければならないのか、と思ってしまう。

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