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戦略と歴史には物語性が重要 インタビュー/一橋大学名誉教授 野中 郁次郎

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のなか・いくじろう 1935年生まれ。知識創造理論で世界の経営学をリード。日本学士院会員。歴史研究者との共著『失敗の本質』は日本の軍事研究に大きな影響を与えた。(撮影:今 祥雄)

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企業戦略や知識創造型企業のあり方で、世界の経営学をリードしてきた野中郁次郎氏。軍事やその歴史にも詳しく、関連の著作は日本の知識人に大きな影響を与えてきた。戦略論の権威が歴史に学ぶ作法を語る。

──『失敗の本質』では旧日本軍の組織的病弊を指摘しています。旧日本軍は過去の教訓を学ぶという点で、不十分だったのですか。

それは違う。旧日本軍はオーバーラーニング(学習過剰)で失敗したというべきだ。ただし成功体験だけをオーバーラーニングしてしまった。例えば、海軍は日露戦争の成功体験に過剰適応した。太平洋戦争時に海戦で最も重要なのは航空兵力であったのに、戦艦中心の大艦巨砲主義から抜け出せなかった。

指摘したいのは「適応」と「革新」のバランスの重要性である。旧日本軍には真剣勝負の対話や議論が欠如していた。過去から学びつつ、時代や技術の変化に適切に対処することができなかった。対照例は、太平洋戦争での米海兵隊だ。水陸両用作戦というコンセプトを開発し、太平洋の島に立てこもる日本軍を蹴散らした。

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