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「新システムが大きな武器。サービス向上で先行する」 みずほ銀行は次世代金融の競争で勝てるのか

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銀行の3大機能は、金融仲介、信用創造、決済機能だが、もはや主戦場はそこだけではない。

次世代の金融サービスに向けて「大事なことが二つある」と強調した藤原頭取(撮影:山内信也)
今年7月、みずほフィナンシャルグループは最大の関門だった新勘定系システムの移行を終えた。今年度から5カ年の中期経営計画が始動しており、3メガバンクグループの中で見劣りする収益力の改善をはじめ、さまざまな分野で巻き返しを狙う。
異業種も交えた金融サービスの競争がいっそう激しくなる中、みずほはどう変わっていくのか。みずほ銀行の藤原弘治頭取に聞いた。
(注)本記事は週刊東洋経済10月26日号『トップに直撃』掲載インタビュー(29ページ)に加筆した拡大版です。

 

――銀行を取り巻く環境が大きく変わってきています。

変革期にあることはもちろん実感している。その中で、銀行に求められている役割が変わってきている。これまで銀行は「金融機能の提供主体」だったが、「顧客や社会に対する課題解決」というビジネスへとシフトしていく。

――課題解決とは?

具体的に目の前にある課題は、中堅中小企業の後継者問題だ。日本には後継者が見つかっていない会社が127万社ある。大企業だと、米中問題、中東、ブレグジットという問題がある。さらには、中央銀行の金融緩和シフト、(債務不履行や企業倒産が一定周期で増加する)クレジットサイクル、環境問題も見なければいけない。

顧客がさまざまな課題を抱える日本は、いわば課題先進国だ。私は「課題解決のベストパートナーになる」と言っているが、この機能こそ銀行が求められている役割だ。

――今回の中期計画で掲げた「次世代金融への転換」とはどういう姿を指しているのですか。

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