「病床数が多すぎるのに 減らせない」日本の病理 病院が動き出すような仕組みづくりが不可欠

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日本の医療体制の特徴は、「病床数が多すぎる」という点に尽きる。人口当たりの医師数は1000人当たり2.4人と、ほぼ経済協力開発機構(OECD)の平均水準である。一方、人口当たりの病床数はOECD平均の2.8倍、在院日数は同2.1倍である。これらの事実は「日本における医療の人的密度(医療密度、1床1日当たり)は、OECD平均の約4分の1」でしかないことを示す。つまり日本では、「医療密度が低い(病床数に比べて医師数が少ない)状態での長期入院が多すぎる」といえる。

通常、サービスの供給量が需要量に比べて「多すぎる」ときは、需要に見合う水準まで供給は縮小される。しかし医療の場合、長期入院を医師の判断で決められるなど、供給者である病院側の裁量により需要を調整しやすい。そのため、病院側は供給(病床・入院日数)を減らさずに済むように需要を誘発する傾向がある。つまり、「供給が多すぎるにもかかわらず、減らすインセンティブが現場に希薄である」という課題を抱える。

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