ギリシャ再び政局混迷、金融市場への影響は?

第一生命経済研究所・田中理氏に聞く

ギリシャの次期大統領選挙は23日の2回目の投票でも決まらなかった。写真中央はサマラス首相。(ロイター/アフロ)

2010年春からの欧州債務危機のきっかけとなったギリシャ。再び、政局が混迷に陥っている。

ギリシャでは現職のパプリアス大統領の任期が2015年3月に切れるのに伴い、次期大統領の選出投票が行われている。12月17日に行われた1回目の投票では、与党第一党・新民主主義(ND)の大統領候補であるディマス氏が160票を獲得したものの、選出に必要な200票(議会定数の3分の2以上)に届かなかった。23日の2回目投票でも168票にとどまった。29日に予定される3回目の投票では必要票数が180票に下がるものの、大統領の選出ができなかった場合、憲法の規定により、議会の解散・総選挙を余儀なくされる。

現在、野党・急進左派連合(SYRIZA)への支持が広がっており、金融市場の懸念材料となっている。SYRIZAは、EU(欧州連合)、ECB(欧州中央銀行)、IMF(国際通貨基金)のいわゆるトロイカによって支援と引き替えに突きつけられた財政健全化の条件について、見直しを求め、緊縮財政に反対しているからだ。

年明けのギリシャ政局の見通し、金融市場への影響を、欧州の事情に詳しい第一生命経済研究所の主席エコノミスト・田中理氏に聞いた。

大統領選出は困難、解散・総選挙が濃厚

――29日の3回目の選挙で大統領が決まる可能性は?

おそらく、選出は困難だ。サマラス首相は2回目の投票を前に、大統領選出後に、2015年中にも総選挙を前倒しで行う可能性を示唆したが、与党候補への支持は広がっていない。与党は中道左派の民主左派党(DIMAR)、右派の独立ギリシャ(ANEL)、無所属議員の切り崩しを図っているが、与党候補支持に転じる可能性がある議員を足し合わせても180票には届きそうにない。

――選出ができなかった場合の、政治日程はどうなりますか。

10日以内に解散、30日以内に議会総選挙という憲法の規定があり、新たな議会が成立して、大統領を選出することとなっている。したがって、年内か、年明け早々に解散が宣言され、週末である1月25日か2月1日に総選挙が行われるだろう。この場合は、世論の支持が拡大している急進左派連合(SYRIZA)が勝つ可能性が高い。

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