政府の後押しで大量導入が進む台湾。経済効果も期待される。
台湾は2025年までに発電容量で5.5ギガワットに上る洋上風力発電を導入し、それ以降も年間に1ギガワットのペースで導入を進めていく計画だ。30年には、日本が定めたエネルギー基本計画における風力発電の設備容量目標(陸上風力と洋上風力の合計)の10ギガワットと同規模になる。人口が日本の2割に満たない台湾はなぜ、洋上風力でこのような野心的な目標を掲げているのか。その理由を探るべく、現地を取材した。
4月中旬、本誌記者が訪れた台中港(台中市)の発電機組み立てエリアでは、数台のショベルカーが整地作業を進めていた。風力発電プロジェクトの拠点港に位置づけられた台中港ではまだ基礎工事が始まった段階で更地が目立つ。
だが、その土地は数年後には、東アジア有数の洋上風力発電の産業拠点になるはずだ。すでに風車のブレード(羽根)メーカーの天力が工場建設を始めており、洋上風力の安全訓練施設も建設される予定だ。台中港が面している台湾海峡には水深50メートル以下の浅い海が広がり、風速も毎秒8メートル前後と、洋上風力発電にとって恵まれた環境がそろっている。
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