石炭関連企業からの資金引き揚げが拡大した金融界。気候関連リスクの情報開示の枠組みも決まり、次は一般企業へ開示圧力を強める。
世界の金融機関で脱炭素化の動きが加速している。
中でもドラスティックな取り組みが、ダイベストメントと呼ばれる資金引き揚げだ。二酸化炭素(CO2)排出量の最も多い石炭(採掘や火力発電)が目下、そのターゲットとなっている。
石炭銘柄の株式を売却、保険や融資も引き揚げ
2015年12月のパリ協定(温暖化対策の国際枠組み)以後、最初に資金引き揚げが本格化したのが株式運用の世界だ。下図のように18年12月時点で石炭ダイベストメントを決定・実施済みの株式運用組織は、公的年金基金や私的投資基金など1000以上(総運用資産額にして8兆ドル!)に上る。
18年には、ダイベストメントの流れが損害保険引き受けの分野にも広がった。独アリアンツなど欧米の保険大手が、次々と引き受け停止を決定。石炭関連企業は将来計画を立てにくくなった。
そして今、環境団体が最も注視するのが、銀行融資でのダイベストメントだ。融資引き揚げは石炭関連事業の継続や新増設を困難にするため、株式運用や保険以上に効果が大きい。この銀行のダイベストメントで目下、世界から注目されるのが日本の3メガバンクだ。
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