国策として進められてきた核燃料サイクルだが、余剰プルトニウムへの批判も強く隘路にはまっている。
「こちらがお願いした確認事項に対する追加説明は、求めたものと違っている。再度説明をお願いしたい」。4月23日、3時間超続いた原子力規制委員会の審査会合。核燃料施設の審査を担当する田中知(さとる)委員は日本原燃の説明内容への不満をにじませ、審査を継続することを告げた。
国策として進められる原子力発電の核燃料サイクル政策。中核となる日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ヶ所村)の安全審査の先行きに不透明感が増している。
再処理工場は、原発で発生した使用済み核燃料を解体し化学処理することで、核物質であるウランとプルトニウムを取り出す施設だ。両者を混ぜてウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料に加工し、原発で利用する仕組みを核燃料サイクルという。
ウラン資源の有効活用につながるとして、六ヶ所再処理工場は1993年に建設が始まっている。だが、相次ぐ施工不良の発覚、技術的な難しさによるトラブル、福島原発事故後に強化された新規制基準への対応などで、20回以上も竣工時期を延期している。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら