今ある仕事の多くがAIに代替されている20年後に日本人が生き残る方法は。異色対談からその糸口を探る。

(撮影:尾形文繁)
作詞家の秋元康氏と人工知能(AI)専攻で東京大学特任准教授の松尾豊氏。一見、遠い存在の二人だが、VR(バーチャルリアリティ・仮想現実)の開発会社にボードメンバーとして参画するなどの接点がある。それぞれの立場から見える20年後を語ってもらった。
──20年先を見据えて日本人は今、何をすればいいのでしょうか。
秋元 日本人がやるべきことは、ぶれずに自分の好きなことをやることです。日本ではそうした中から天才が生まれます。私なりにクールジャパンを定義づければ、それは自信を持つこと。日本アニメも、好きなことを追求し続けたから成功した。日本型のアイドルも同じように海外で受け入れられてきた。これからの20年は日本人が自信をつける20年にしないといけない。無理にグローバルな目線に合わせる必要はないのでは?

あきもと・やすし●1958年生まれ。中央大学文学部中退。放送作家を経て作詞家。美空ひばりの遺作「川の流れのように」で作詞家としての地位を確立。AKB48の総合プロデューサー。(撮影:尾形文繁)
松尾 すべての仕事をいったん白紙に戻して、人間が付加価値を生めることは何かを今こそ考え直しておくべきです。AIには人間のしてきたことの付加価値を問いかける力がある。AIにできることが増えていく中、人間でなくてもできること、付加価値を生めない仕事は手放して、人間にしかできないことに集中すべきです。
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