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労使とも認識不十分、雇い止めでトラブルも 〈衝撃1〉無期転換ルール開始直前

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無期転換ルールに関心を示さない経営者も(撮影:今井康一)

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昨年12月。顧問先の従業員約100人の給食業者を訪ねた社会保険労務士は、社長の言葉に面食らった。「何で契約社員を無期雇用にしないといけないの。できるわけがない。無期転換前に辞めてもらうしかないよ」。

驚いたのは社長の無知さより、社労士が人事担当者に無期転換の準備を急ぐようさんざん言ってきたのに伝わっていないことだった。この社労士は「無期転換用の就業規則の雛形まで渡したのに、人事担当者は処遇が従来のままでいいので今までと何も変わらないという認識だった」と振り返る。

ところが社長は「無期」という言葉に異常に反応し、切るしかないと言う。「今さらそんなことをしたらトラブルで争いになり、無駄なおカネを払うだけ、と言っても聞かない。この程度の認識しかない経営者が多い」と社労士は指摘する。

改正労働契約法18条により、有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えると労働者に無期転換権が発生する。改正法施行後5年に当たる今年4月前に契約更新を拒否し雇用を終了させる「雇い止め」は、合理的理由がなければ認められない(労働契約法19条)。本来はもっと以前に対策を講じるべきだったが、経営者の関心は薄かった。

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