「3本柱の事業があれば、単独でも十分に会社としての体を成す。(他社との統合など)再編はいっさい考えていない」。昨年4月に中期経営計画を発表した際、神戸製鋼所の川崎博也会長兼社長はそう答えていた。
3本柱とは鉄鋼やアルミ・銅、溶接などの「素材系事業」、圧縮機や建設機械などの「機械系事業」、火力発電で電力卸供給を行う「電力事業」を指す。電力で収益安定化を図りながら、素材系では自動車・航空機の軽量化ニーズへの対応を軸に成長を目指し、機械系ではエネルギー分野を中心に収益力を強化する。そうすれば自主独立を守れるというもくろみだ。
「支援」に言及した盟主・新日鉄住金
ところが、データ改ざん問題で眼前には一気に暗雲が垂れ込めた。顧客離れや損害賠償請求などの影響がどこまで広がるかは見通せず、経営の土台が揺れている。
もともと神鋼の事業基盤は強固とは言いがたい。主力の鉄鋼事業では国内3位の規模だが、1、2位とは大きな差がある。世界では50位の粗鋼生産量だ。建機事業も売上高は国内3位で、首位コマツの約6分の1だ。
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