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バーナムの官僚主義批判 トランプ時代によみがえった

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大衆と少数エリート層の分断が生み出したトランプ大統領。この背景を、忘れられた保守論客、バーナムのテクノクラート支配批判から読み解く。

トランプ大統領が誕生した米国は、民主主義が空洞化し、大衆の不満のはけ口と化した世界となった(AP/アフロ)

30年前に亡くなった米国の思想家ジェームズ・バーナム(1905〜87年)。相当の年配の企業人なら、かすかに記憶にとどめているかもしれない。主著の『経営者革命』(41年)は、51年と65年に東洋経済新報社から翻訳本が出版されている。半世紀以上前のことだ。

そのバーナムが、トランプ時代の米国でよみがえっている。バーナムこそ、今日の米国を理解するカギと見られている。それどころか、彼の思想がトランプ大統領を生んだとの見方もある。米国でさえ忘れられていた思想家にもかかわらずだ。

主著のタイトルから、ほぼ同じ年代のドラッカーのような経営学の草分けかと思われるかもしれない。まったく違う。バーナムは戦前の米国のトロツキストの中核だった。スターリニズムに反発し、独ソ不可侵条約(39年)の衝撃で反共産主義へと傾きだした。右旋回は続き、戦後は保守論壇の中心として、病に倒れる70年代末まで活躍した。

トランプとバーナムをつなぐのは主著の思想だ。『経営者革命』はタイトルから想像されるような革新的な経営手法についての本ではない。マルクスのプロレタリア革命理論の向こうを張った世界史理論が繰り広げられる書である。

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