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▶▶証言5 流通株買い占めと再編構想 ライフコーポレーション会長 清水信次

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ライフコーポレーション会長 清水信次
しみず・のぶつぐ●1926年生まれ。56年清水実業(現ライフコーポレーション)設立。88年に一度退いていた社長職に復帰した後は会長兼社長を長く務め、2006年から会長兼CEOに。日本チェーンストア協会会長。(撮影:梅谷秀司)

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秀和の小林くんは賢すぎてやりすぎた

あのバブルで土地が値上がりしたとき、僕の戦友の小林くんは秀和で持っている資産が時価で4兆円近くあると言っていた。銀行借り入れなどの負債を差し引いた純資産は2兆円近いという話だった。

ライフコーポレーションの清水信次会長が語る「戦友の小林くん」とは、不動産会社・秀和の小林茂氏のことである。小林氏が一躍名を馳せたのは1989年7月に起きた流通株買い占め騒動においてだ。その2年ほど前から流通各社の株式を関連会社も使って買っていた秀和は、忠実屋といなげやの2社で筆頭株主に躍り出た。同時に清水氏のライフ、忠実屋、いなげや、長崎屋の中堅4社合併により売上高1兆円の流通企業を生み出す構想が表面化する。

「中堅スーパーは結束して集約しないと、今のように安売り競争を続けているだけでは生き残れない」という話を小林くんにしたことがあった。一方で彼はマンションやビル以外の新たな事業分野として商業施設を考えていた。なので清水を中核に売上高1兆円規模のスーパーを作って自分はどんどん商業施設を建てれば、お互いうまくいくだろう、と。

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