
ここ数年、「日本人はモノを買わなくなった」といわれている。独自の分析でその理由を探っているのが、投資の世界において日本を代表するファンドマネジャーとして知られる、レオス・キャピタルワークスの藤野英人社長だ。

レオス・キャピタルワークス社長 藤野英人
ふじの・ひでと●1966年まれ。早稲田大学卒業後、野村投資顧問(現野村アセットマネジメント)入社。外資系資産運用会社を経て、2003年レオス創業。15年に社長復帰。
──若い人を中心にモノを買わなくなりました。
米国をはじめ世界的に、若い世代に消費を是としないというような生き方が広がっているけど、必ずしも悪いことではない。いわば環境に負荷をかけない生き方。よくも悪くも、最近の一つの特徴といえるだろう。
一方、日本では固有の問題もある。一つは長く続いてきたデフレの影響だ。デフレとはつまり、おカネの価値が上がり、モノの価値が下がっていくこと。そのような環境でずっと育ってきた今の若い世代は、現金を貯めてモノを持たないことが合理的だという価値観になっている。
デフレ社会がもたらした日本人の「心のデフレ」は非常に根が深い。成長しなくてもよいし、努力もしたくない。今の範囲で働いて、給料が少しずつ減っていっても、節約しておカネを貯めていけばいいと。
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