ここ数年、「日本人はモノを買わなくなった」といわれている。独自の分析でその理由を探っているのが、投資の世界において日本を代表するファンドマネジャーとして知られる、レオス・キャピタルワークスの藤野英人社長だ。
──若い人を中心にモノを買わなくなりました。
米国をはじめ世界的に、若い世代に消費を是としないというような生き方が広がっているけど、必ずしも悪いことではない。いわば環境に負荷をかけない生き方。よくも悪くも、最近の一つの特徴といえるだろう。
一方、日本では固有の問題もある。一つは長く続いてきたデフレの影響だ。デフレとはつまり、おカネの価値が上がり、モノの価値が下がっていくこと。そのような環境でずっと育ってきた今の若い世代は、現金を貯めてモノを持たないことが合理的だという価値観になっている。
デフレ社会がもたらした日本人の「心のデフレ」は非常に根が深い。成長しなくてもよいし、努力もしたくない。今の範囲で働いて、給料が少しずつ減っていっても、節約しておカネを貯めていけばいいと。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら