
日産自動車に仏ルノーから派遣され、経営再建を果たしたカルロス・ゴーン氏。日本企業の経営にも大きな影響を与えた。ゴーン氏が変えたものは何か。自動車産業アナリストの中西孝樹氏に聞いた。

ナカニシ自動車産業リサーチ 代表兼アナリスト 中西孝樹
なかにし・たかき●米オレゴン大学卒。1994年以来一貫して証券会社等で自動車産業調査に従事。2013年から現職。(撮影:尾形文繁)
──初めて会ったときの印象は?
イメージはもう最初からコストカッター。ルノーのCOO(最高執行責任者)をしていたときにアナリスト向けのプレゼンを聞いたが、「聖域なきコストカット」をとにかく力説していた。すごいやり手で本当にコストを絞り上げる人間というイメージ。日産入りで、たいへん面白いことになるのではという期待があった。
──最初の日産リバイバル・プラン(NRP)をどう受け止めましたか?
国内工場閉鎖や人員削減はある程度想定していたが、やはり驚いたのは「系列解体」だ。日産が保有する株式を4社を除いてすべて売却し、取り引きするサプライヤーを半減すると高らかに宣言したのだから。もう一つ驚いたのは購買コストを3年間で20%も削減するという話。日本の常識では考えられず、話を聞いて、「日産のサプライヤーはこれから大変だ」と息をのんだ記憶がある。
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