[記事のポイント]
(1) 2.5次元とはアニメやゲームを原作としたミュージカルなどのこと。2次元のキャラクターが3次元化されることからそう呼ばれる
(2) 2.5次元の市場規模は2015年で104億円。まだ市場は小さいが、興行収入の3~5割を物販が担うなど消費喚起力が高い
(3) 2.5次元作品の多くは海外展開を想定して設計されており、日本の演劇がアニメのような国際競争力をつけられるかもしれない
アニメを中心とする2次元コンテンツの引力が、エンターテインメント産業に新しい展開をもたらしている。前出記事で紹介した声優ライブが一つの事例だが、さらに熱い高まりがあるのが演劇。2次元のキャラクターが3次元化されたことから「2.5次元」と呼ばれる、アニメやマンガ、ゲームを原作とするミュージカルやストレートプレー(会話を中心とする劇)が、新ジャンルとして勃興しているのだ。
演劇といえば、1980年代の小劇場ブームの際に鴻上尚史氏(インタビュー)や野田秀樹氏、三谷幸喜氏らの舞台を楽しんだという読者も少なくないだろう。だが2000年代に入ると、演劇は若者にとって遠いエンタメとなっていった。そんな中で、20~30代女性を中心に若年層を劇場に招き寄せている2.5次元とは、どんな魅力を持つのか。本稿では実際の公演をリポートしつつ、2.5次元が秘めた演劇表現とビジネスの可能性を伝える。
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