米国発のクランチロールは、クン・ガオ氏らカリフォルニア大学バークレー校の学生が立ち上げたアニメ動画の配信サイトだ。2014年に通信大手のAT&Tとメディア投資のチャーニングループで作る合弁企業の傘下に入り、潤沢な資金を生かして日本のアニメに猛烈に投資している。訪日したガオ氏に、事業モデルを聞いた。
クランチロールはファンがアニメ作品に非公式の字幕をつける「ファンサブ」のサイトとして始まった。当初は違法動画が多かったが、08年にテレビ東京などとアニメ配信で提携した際に海賊版を一掃。09年には有料会員制度を導入した。現在は広告付きの無料プランと、月6.95ドル、同11.95ドルの有料プランがあり、有料会員は日本で放映されたその日に字幕付きで視聴できる。有料会員は約140カ国で100万人を突破した。北米が半数以上で、特に伸びているのは中南米と欧州だ。
14年末からは日本の製作委員会に出資している。従来は放映前に配信権を取得するだけだったが、出資によって放送の9カ月以上前から作品にかかわれるからだ。すでに約40本に出資し、うち約30本は住友商事との合弁による出資だ。委員会への出資以外にも、クランチロールが制作費を全額負担するオリジナル作品の企画にも乗り出した。
視聴データを基に出資を判断する
日本アニメのファン層と市場は、世界で拡大を続けている。クリエーターにとっては売り手市場で、動画配信や映像パッケージの販売など、収益化の手段がいくつもある。人気作品をめぐる競争で、動画配信業者がオファーする配信料も高騰している。ただ私たちは、たくさんおカネを出せばよい作品ができるとは考えていない。委員会への出資でも、出資額と作品の質が釣り合うポイントを探っている。
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