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多角化で変革を続ける富士フイルムの今 転換した各事業を4つのキーワードで読み解く

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2度にわたる構造改革を経て、転換した各事業を4つのキーワードで読み解く。

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デジカメから液晶用フィルム、医薬・化粧品、複写機、半導体露光用材料まで──構造転換を遂げた富士フイルムの現在の事業は多岐にわたる。各事業を理解するには、四つのキーワードがある。

1 素材・生産技術の横展開

「高機能素材と生産・加工技術の組み合わせが生むイノベーション。これこそが他社にはない富士フイルムの『家業』だ」(戸田雄三常務) 写真フィルムで培われた、高機能素材を生む素材合成技術と精密塗布など製品を生産・加工する技術。この基盤技術を生かした事業創出が、富士フイルムの現在の事業の根源となっている。筆頭格はフラットパネルディスプレイ(FPD)材料事業だ。液晶テレビやPCのモニター用に使われる液晶フィルムを中心に、全社利益の3割強を占めている。

液晶用フィルムは、写真フィルムに使われる素材がベースとなって生まれた製品。コダックなどほかのフィルムメーカーも同様の素材技術を持っていたが、富士フイルムは1990年代半ばにいち早く液晶用に特化し、卓越した生産技術で製品化。その後の液晶市場の拡大に合わせて生産設備を増強し、現在では世界シェアの7割を握っている。

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