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成功体験を捨てないと世界では戦えない [INTERVIEW]神戸大学大学院教授 三品和広

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事業環境の変化にうまく適応できる企業だけが生き残れる。では、勝ち残るためには何をすべきか? 経営戦略が専門の三品和広・神戸大学大学院教授に、変革企業の条件を聞いた。

神戸大学大学院教授 三品和広
みしな・かずひろ 神戸大学大学院経営学研究科教授。1959年愛知県生まれ。一橋大学商学部卒業、同大学大学院商学研究科修士課程修了。米ハーバード大学ビジネススクール助教授、北陸先端科学技術大学院大学助教授などを経て現職。

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素手の戦いを嫌がる  それが日本企業の問題

──環境の変化に強い企業に共通点はありますか?

脈々と技術を蓄積し探求をやめなかった富士フイルムのような、いわゆる「川上」重視の企業は変化に強い典型だろう。優れた素材、材料を保有していると、今ある事業をより強くできるだけでなく、川下の既存製品が売れなくなったときに新たな製品開発に応用することができる。製品化に至る川の流れを自ら変えられるため、世の中の変化に強いといえる。足元で好調な日本企業は、こうした素材などの川上分野を大事にしてきたところが多い。

今まさに事業環境の変化にさらされているエレクトロニクス業界を見た場合、ソニーには川上といえるものが見当たらない。川下側で生きているので、そこに変化が起きると意外ともろい。一方パナソニックは、不十分ながら電子部品や源泉工程という川上側の資産を持っており、ソニーと比べるとその点では有利だ。

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