スマートフォン時代の王者、アップルが転換期を迎えている。2016年9月期は15期ぶりの減収減益に転落(図表1)。売上高の約6割を占めるiPhoneの販売不振が足を引っ張った。
地域別で見て苦しいのは中国だ。中国の売上高は全体の約2割を占め日本の2~3倍に当たるが、16年7~9月期は前年同期比3割減を強いられた。中国のスマホ市場が飽和し始めていることや、iPhoneよりも安価な地元メーカーの台頭などが背景にある。最大市場の米国も同四半期に前年割れとなった。
前提が狂い始めた強固なビジネスモデル
世界のスマホ市場におけるアップルの存在感は絶大だ。Strategy Analyticsの調査によると、アップルが稼ぐスマホの利益は、スマホ市場全体の実に91%を占める。スマホ業界全体の利益に韓国LGや台湾HTCの赤字分を算入すると、アップルの利益シェア104%になるというデータもある(BMO Capital Markets調べ、ともに16年7~9月期時点)。アンドロイドのスマホメーカーが薄利多売のビジネスを行う傍ら、iPhoneは高い収益性を維持していることがわかる。
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