体によいのか悪いのか。糖尿病の専門医に直撃したところ、議論はついに決着を見た。
江部康二 高雄病院理事長
糖質制限の効果や安全性をめぐっては長く議論があったが、近年ようやく決着がついた。米国糖尿病学会が2013年、従来「推奨できない」としてきた糖質を1日130㌘以下に抑える制限食を、全面的に容認したのだ。
にもかかわらず、日本糖尿病学会は現在も慎重な態度を貫いている。これまで炭水化物を摂取カロリーの50~60%程度摂取すべきと推奨してきた以上、自らを否定する勇気がないのだろう。同学会が13年に出したメディア向け資料には、08年に聖路加国際病院の医師らが発表した「5年以上の糖質制限により死亡の危険性が高まる可能性がある」という論文が引用されている。大手メディアが次々とこれを報道し、糖質制限に対するネガティブキャンペーンの様相を呈した。だが実はこの論文の信憑性は低く(→関連記事へ)、論文をまとめた医師自身もそれを認めている。しかも、被験者は糖質制限食の上限(1日130㌘)以上食べており、検証にすらなっていない。
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