グローバルの自動車販売台数首位を争ってきたトヨタ自動車と独フォルクスワーゲン(VW)。2015年に両社の明暗が分かれた。
VWは9月18日を境に危機的な状況に陥った。08年以降に米国で販売したディーゼル車約48万台が、違法なソフトウエアで排ガス規制を免れていたことが発覚。不正は傘下ブランドを含め全世界で1100万台に及ぶ。
ほかにも、ガソリン車で不正が浮上するなど、事態が収束する気配は見えない。世界各国でのリコール費用や制裁金は数兆円に達するとみられており、投資計画の抑制や新車投入スケジュールの見直しを余儀なくされている。もはやトヨタ追撃どころではない。
3期連続で最高益更新 AIに10億ドルを投資
一方のトヨタは、日本や東南アジアの市場低迷が響き、15年度の販売台数は1000万台と前期比1%強の減少となる見通し。ただ、業績は絶好調。同年度は3期連続で最高益を更新し、円安の定着もあり、2年連続で純利益2兆円を突破する見込みだ。
だが、「今の業績はよいが、将来を見据えると危機感がいっぱいだ」とトヨタ幹部は真情を吐露する。こうした危機感を抱くのには二つの理由がある。
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