9月下旬の米中首脳会談は、大方の予想よりも多くの成果を残した。両国が歩み寄った背景には、米ロ対決という国際情勢の大変動があった。
「前回、米政府が用意したのはヘビ年のワイン。これは習近平国家主席がヘビ年生まれだからでした。今回、晩餐会で用意されたのは紹興酒。これは習主席が浙江省書記だったから。こんなところに米国の気遣いが感じられます」 9月25日の米中首脳会談に関する中国国内の報道ではこんな浮かれたコメントも聞かれた。紹興酒にそれほど深い意味があるのかについては疑問も残るが、中国メディアがはしゃぎたくなるほどの成果があったと考えて間違いないのだろう。
米中関係には「対立はあるが協力できることも多い」というのが会談前の中国のスタンスであった。つまり、首脳会談の後には協力がアピールされる一方で宿題が多く残されることも予測されていたのだ。
だが、ふたを開けてみると、対立があった問題でも一定の成果を出していることがよくわかる。首脳会談後に共同で行った記者会の場では、サイバー攻撃や南シナ海問題での合意についても言及された。
まずサイバー攻撃については、両国が「対抗しない」ことを確認したうえで、「犯罪取り締まりについて合意」し、「インターネット上の知的財産権の保護」についても共に守っていくことで合意したという。
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