南シナ海でフィリピンと領有権をめぐって争う中国。仲裁で自国に不利な判断が下されれば国連海洋法条約を脱退する構えだが、これは孤立への道だ。
6月20日、中国が国連海洋法条約の脱退を検討していると一部周辺国に伝達した。南シナ海における中国とフィリピンの領有権問題に関して常設仲裁裁判所が進めている仲裁手続きで、中国の主張を否定する判断が出された場合の対抗措置として考えられているという。
仲裁手続きは国連海洋法条約に基づいて行われ、中国の領有権主張が国際法に違反するかどうかが焦点になっている。しかし、常設仲裁裁判所の「判断」に法的拘束力はない。この判断を法的根拠として当事者が協議し、解決することになるのだ。
中国が脱退まで検討するのは、大げさにも思える。無視しても罰せられることはない。
それでも中国は「仲裁」自体を拒否する。中国は「仲裁は受け入れず、参加しないとの厳正な立場を堅持する」とし、「中国に強引に押し付けるいかなる紛争解決案も受け入れない」とするのだ。そのうえで、中国外交部(外務省に相当)は、「フィリピンが裁判手続きを直ちに停止するよう促す」との声明まで発表した。
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