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「ユーロ圏のわな」の懸念 過剰債務に苦しむ中国に

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欧州経済の抱えるリスクが再び注目されている。同じく公的債務の膨張が懸念されている中国では、ユーロ圏と同じ構造の存在が指摘され始めた。

中国とEU諸国の蜜月関係に影が差す。写真は6月25日に北京で開かれたAIIB第1回年次総会の会場(ロイター/アフロ)

英国の欧州連合(EU)離脱の衝撃がきっかけとなり、ここ数年間債務危機などさまざまな問題に見舞われてきたEU、なかんずくユーロ圏の抱える経済リスクにあらためて注目が集まっているようだ。

中国はEUが最大の貿易相手で、アジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加問題をはじめとしてEU加盟諸国とは外交上良好な関係を築いてきた。それだけにEUをめぐる経済リスクが再燃すれば、大きな影響を受けることが予想される。

このようにEUをめぐる問題が中国経済に与えるリスクが懸念される一方で、中国国内の過剰債務問題についてEU同様のリスク、すなわち「ユーロ圏のわな」があるのではないか、と警鐘を鳴らす識者もいる。

ユーロ圏では、金融政策は統一通貨ユーロを発行する欧州中央銀行が行う一方、財政政策の運営は各国の政府に任されるという、「単一の金融政策、各国独自の財政政策」というマクロ経済政策の組み合わせが採用されている。しかし、そこには根本的な問題がある。

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