労働力人口が減り始めた中国で、労働者の愛用品である即席麺の販売がマイナスに。一方でヨーグルトは大幅増。消費の二極化をどう見ればいいか。
中国で長距離列車に乗ると、食事どきには車内にカップ麺のにおいが漂うのが常だ。空港で搭乗を待っている間に、カップ麺にお湯を注いで食べている風景もよく見掛ける。特に農村から都市に出稼ぎに来ている人々にとっては、手間も時間もかからないカップ麺、インスタント麺は必需品といっていい存在だ。
その消費量の大きく落ちていることが、中国の人口動態と産業構造の変化を象徴するものとして注目されている。
経営コンサルティング会社のベイン・アンド・カンパニーと市場調査会社のカンター・ワールドパネルが6月に共同で発表したリポートでは、昨年の中国の都市における日用消費財(飲料、食品、化粧品など短期間で消費される製品)の消費量は前年比0.9%減となった。5年前の調査開始以来、初めてのマイナスだ。金額ベースでも3.5%増で、ここ5年間で最低だった。
調査対象は加工食品、飲料、パーソナルケアおよびホームケア用品といった分野の26品目で、中国の日用消費財の総販売量の80%を占める。特に注目されるのは、ブルーカラー向けとされる製品の消費減が大きいことだ。金額で見ると、インスタント麺が12.5%減、ビールが3.6%減だ。中でも低価格帯のビール消費の減少率は、高級ビールよりも明らかに大きかった。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら