有料会員限定

中国の消費「二極化」 即席麺の販売減少が示す

✎ 1〜 ✎ 74 ✎ 75 ✎ 76 ✎ 最新
拡大
縮小

労働力人口が減り始めた中国で、労働者の愛用品である即席麺の販売がマイナスに。一方でヨーグルトは大幅増。消費の二極化をどう見ればいいか。

手軽に温かい食事がとれるカップ麺は中国人、特に労働者には必需品。その販売が減っている(ロイター/アフロ)

中国で長距離列車に乗ると、食事どきには車内にカップ麺のにおいが漂うのが常だ。空港で搭乗を待っている間に、カップ麺にお湯を注いで食べている風景もよく見掛ける。特に農村から都市に出稼ぎに来ている人々にとっては、手間も時間もかからないカップ麺、インスタント麺は必需品といっていい存在だ。

その消費量の大きく落ちていることが、中国の人口動態と産業構造の変化を象徴するものとして注目されている。

経営コンサルティング会社のベイン・アンド・カンパニーと市場調査会社のカンター・ワールドパネルが6月に共同で発表したリポートでは、昨年の中国の都市における日用消費財(飲料、食品、化粧品など短期間で消費される製品)の消費量は前年比0.9%減となった。5年前の調査開始以来、初めてのマイナスだ。金額ベースでも3.5%増で、ここ5年間で最低だった。

調査対象は加工食品、飲料、パーソナルケアおよびホームケア用品といった分野の26品目で、中国の日用消費財の総販売量の80%を占める。特に注目されるのは、ブルーカラー向けとされる製品の消費減が大きいことだ。金額で見ると、インスタント麺が12.5%減、ビールが3.6%減だ。中でも低価格帯のビール消費の減少率は、高級ビールよりも明らかに大きかった。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
日本製鉄、あえて「高炉の新設」を選択した事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
ヤマト、EC宅配増でも連続減益の悩ましい事情
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
倒産急増か「外食ゾンビ企業」がついに迎える危機
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
Netflixが日本での「アニメ製作」を減らす事情
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT
有料会員登録のご案内