数多くの大物を処断してきた反腐敗運動。次は現職の国家副主席が標的だとされる。その背景には李克強首相の出身母体、共青団との対立構図があった。
8月は中国にとって政治の季節である。共産党の指導部を中心に、第一線を離れてもなお隠然と影響力を保つ長老たちを加えて開かれる北戴河会議(政治局拡大会議)が行われるためだ。
開催地は河北省の有名な避暑地だが、「避暑地での会議」という言葉の持つリラックスした印象とは裏腹に、人事をめぐって厳しいやり取りが交わされるといわれている。来年の党大会では、習近平指導部がスタートして初めて最高指導部メンバーが大きく入れ替わるとされているだけになおさらだろう。
そして目下のところ、北京の関心は習近平との対立構図が伝えられる李克強首相の動静、そして李克強と同じく共産主義青年団(共青団)出身の李源潮・国家副主席に司法の手が及ぶか否かに向けられている。
李源潮が反腐敗運動の標的になるといううわさは、早くから出ていた。最近彼の元秘書が逮捕されたことで、その可能性がより一層増したともいわれている。
だが、李源潮は7月1日に開かれた党創立95周年大会にも、その前に行われた政治局学習会にも出席している。北戴河会議を控えて事態が急展開する可能性は小さくなった。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら