貧困地域の代名詞だった貴州省が大きく変貌している。地方政府による支援をテコにデータセンターを誘致。ネットによる産業革新の先頭に立つ。
経済成長率が落ちている中国にあって、2ケタ成長を続けているのが貴州省、重慶市などの内陸部だ。特に、長らく1人当たりGDP(国内総生産)が中国で最も低かった貴州省が高度成長を維持していることが注目されている。
省都である貴陽市で、市政府広報部長を兼ねる蘭義トウ(らんぎとう)・市共産党委員会常務委員の話を聞いた。蘭氏は「貴州省は米国のノースカロライナやインドのバンガロールのように、ビッグデータを軸とした新しい産業の発展を目指している」と語る。
2年ほど前から貴州省はビッグデータを発展戦略の中核に定めた。そのことはこのコラムでも取り上げたことがある。だが、国内外の企業がどこまで貴州に魅力を感じるのか、筆者は正直言って半信半疑だった。
貴陽の街を車で回ってみた。新築マンションの分譲価格は北京に比べて6分の1といったところだ。ちなみに北京から見れば貴陽は東京より遠く、航空運賃もずっと高い。
蘭氏の説明では、eコマース最大手のアリババや、中国では最も大きいIT企業の浪潮グループ、テンセントが貴陽に拠点を構えているほか、台湾・鴻海精密工業系の富士康も進出している。5月下旬に開かれた国際ビッグデータ産業博覧会には李克強首相も出席。開幕式に出ただけでなく、参加企業と懇談した。この博覧会には中国企業だけでなく、外国企業も多数参加している。米国のクアルコム、デル、ヒューレット・パッカード、マイクロソフトなどもかなり大きな展示ブースを設けていた。
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