通常国会が1月26日、開幕した。総選挙大勝で政権基盤を強化した安倍晋三首相は、集団的自衛権の行使容認に伴う安全保障法制や、成長戦略達成のための規制改革の関連法案などを成立させて、「安倍政治」の仕上げを目指すが、入り口で「イスラム国」による邦人人質事件に直面した。船出の直前に突然、嵐に見舞われた格好となった。
事件は安倍首相の中東歴訪中に発生したが、訪問計画が明らかになったのは総選挙の直後だった。「積極的平和主義」「価値観外交」を推進する首相は、昨秋の国連総会での中東支援表明に従って、1月17日にエジプトのカイロで、「イスラム国」による難民への支援などに約2億ドルの無償資金協力を行うと発表した。テロは3日後の20日に起こった。
安倍首相は「闘う政治家」「たじろがない」が口癖である。13年参院選と14年総選挙に連勝して政権は盤石と映ったが、12年12月の首相復帰後、「闘う政治家」として初めて真価が問われる場面に立たされた。
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