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日ロ打開ならず トランプ政権の影 米ロ接近の機運で安倍外交に誤算

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安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領との首脳会談は、焦点の北方領土問題で目立った前進はなく、ロシア側が期待する経済協力が先行する結果となった。

プーチン氏の厳しい姿勢を読み切れずに楽観視した安倍政権側の脇の甘さが目立った。加えて、米国で誕生するトランプ政権がプーチン政権との融和路線を見せる中で、日本に譲歩する意味がロシア側になくなってきたという国際政治の構造変化も見逃せない。

日ロ首脳会談は、12月15日に安倍首相の地元である山口県長門市の温泉旅館で、翌16日には東京で開催された。会談後には公式の「共同声明」はまとめられず、日ロ両政府の「共同経済活動」に関するプレス向け声明が発表された。

記者会見で安倍首相から北方領土問題での前進について具体的な言及はなかった。これに対して、プーチン氏は1956年の日ソ共同宣言に従って歯舞(はぼまい)、色丹(しこたん)の2島をいずれ引き渡す場合でも、ロシアが両島の主権を手放すわけではないことを示唆するなど、ロシア側の厳しい態度には変化がなかった。

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