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普及進むマイクロチップ、義務化にはハードル 「なくならない迷子札」は不法遺棄を防止するか

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東京・広尾の動物病院。施術台に一頭のミニチュア・ピンシャーが乗せられた。小刻みに震える体に注射器のような器具が迫る。獣医師が犬に針の切っ先を押し当てること、わずか数秒。緊張していたその場の空気がにわかに緩んだ。

広尾動物病院では10年ほど前から毎月平均1~2頭にMCを埋め込んでいる

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この犬に注入されたのは、直径2ミリメートル、全長12ミリメートルの円筒状のマイクロチップ(以下、MC)だ。MCには、あらかじめ15ケタの番号が記録されており、専用の読み取り機を近づけると、その番号が表示される。番号と登録情報を引き合わせれば、簡単に個体識別が可能となる。

1円玉と比較すれば、マイクロチップの小ささは一目瞭然(下)。専用のインジェクター(上)を使えば、数秒で埋め込むことができる。大日本住友製薬が販売するMCは体温測定が可能。新たな付加機能の追加が、さらなる普及促進の一助になることは間違いない

製品寿命はおよそ30年。迷子札や狂犬病予防注射の登録鑑札などと異なり、体内に埋め込んでしまうため、一生にわたって紛失することはない。迷子になった際の早期発見のみならず、災害時の救護活動や盗難防止にも効果が期待されている。

代金は東京都内の場合、登録料や施術代込みで5000~7000円が標準。後日、専用の用紙を日本獣医師会に送れば、データベースに飼い主の情報などが登録される。

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